温めますか?
『お弁当、温めますか?』
コンビニなどであたりまえのように尋ねられるが、場合によっては結構悩んでしまう。
コンビニなどの場合、温める手段は大抵の場合は電子レンジである。で、この電子レンジで温めた場合というのは、かなり冷めやすい。うちから同じくらいの距離にある弁当屋さんとコンビニとで比較してみても、店を出たときには同じくらい暖かいと思っていたのに、うちについた時には『食べごろのほかほか』と『冷めかけでどことなく生ぬるい』くらいには、暖かさに違いがある。
(ちなみに出張でよく行くところに、お弁当のご飯だけ別にして、電子釜からよそってくれるサービスを行っているコンビニがある。近所にこんなコンビニがあればなぁと思う。)
だからまぁ、普段は弁当屋さんを利用するわけだが、残念ながら普通の店は閉まるのも早い。帰宅が遅くなると選択の余地なくコンビニ弁当とあいなるわけである。
冬場は特に問題である。
無意識にぬくもりを求めてしまうのか、ついつい反射的に『お願いします(温めてください)』と答えてしまうのだが……。
寒い中歩いて帰るうちに少なからず熱が奪われてしまう上、帰宅したらしたで、風呂に入って暖を取りたいと考えてしまう。
うちに帰って風呂に湯を張っている間に、暖房を付けて、うがいをして着替えて、PCを起動して……そうこうしているうちに、丁度よい感じにたまったお湯にどっぷりつかり、充分温まってから、ビールを一杯。あー至福のひと時……。
そんないい気分でふと部屋の片隅に目を向けると、ビニール袋に入ったまますっかり忘れ去られて冷めきってしまったコンビニ弁当に気が付くわけである。
気を取り直してふたを開け箸を取るものの、最初の冷たい一口のなんとわびしいことか。たまに、うちのレンジでチンしてみるけれども、そのときはそのときで、温めなおしたためにどうもかさかさするご飯と、すっかり縮れてしまった糸こんにゃくなんぞにまた涙を誘われるわけで。
そう、実は普通なら別に悩むほどのことでもない。最初から、温めてもらうことなく持ち帰り、自分のうちでチンすれば済むことである。
しかし、怠け者の本能は『エー、ワザワザレンジノフタヲアケテたいまセットシテちんスルナンテメンドクサイジャン』とささやき、しみついた貧乏性は『セッカクノさーびすハツカワナキャモッタイナイッスヨ』とつぶやく。
かくして、
『お弁当、温めますか?』
の問いに、今日も『はい』と答えてしまう自分がいるのである。
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